夜間と言っても朝3時ごろなのだが、この時間は車がほとんど居ない。そして、静まり返っていて景色も違うので何か不思議な感覚がして良い。当然ながら昼間のようなスピードは出せないので、ゆっくり走ることになる。

以前調子に乗ってこの時間に山道へ繰り出した。いやぁ、怖いねぇ。僕ら現代人は闇と言うものを知らない。何かしら明かりがあるからだ。だが、田舎の山道は本当に闇だ。又、時々通る車が意外にスピードを出しているし、ハネられても普通にひき逃げされそうだ。そして、一定の速度を保って降りているときは怖くないのだが、ゆっくり上っているときはかなり怖い。何が怖いのかわからないがとにかく怖い。今ここでパンクしたらどう考えても修理に手間取るし、山の中でずっと停止しているのを想像するだけで怖い。でも無事帰ってくると、又行きたくなる。

現代人は闇を恐れなくなったのではなく、単に闇がなくなっただけだ。だから本当の闇を体験すると昔の人の怖れが判る気がする。 命の保障は出来ないが、深夜の山道を走ってみるのもいい経験かもしれない。