どうせ悪いことに


昔やった覚えのあるゲームというのは、独特の味を持っている。多分今出ているゲームに比べて特に面白いというものでもないのだろうが、思い出の味があるのでより楽しめる。今は亡きBIT-INN名古屋で会った人にコピーしてもらったゲームで、このゲームをやるとその店のことを思い出す。今思うと、BIT-INN名古屋はPC98のショールームというよりもそこでゲームをやる中高生の交流の場になっていて、この店が原因でばら撒かれたコピーも多かったことだろう。昔の話だ。中学生のころ、三国志も好きだったが水滸伝はもっと好きだった。「紅楼夢」と並んで好きな中国の古典小説だ。そして、何故だかわからないが一番好きな人物が魯智深だったので、主人公みたいな扱いだったのはうれしかった覚えがある。順位の高い好漢が微妙に使えなかったり、原作との乖離があったのはファンとしては色々言いたいことがあった。例えば、妖術最強っぽかった公孫勝が最強じゃないことなど。そもそもゲームシステム自体を気に入らなかったのを覚えている。さて今やったらどういう評価になるだろうか?

 水滸伝のあらすじはなんとなく分かるが、登場人物の誰が誰か、何をした人か全く思い出せない。魯智深、武松、林冲、晁蓋、宋江、李逵、阮小兄弟、扈三娘あたりはなんとなくエピソードを覚えているが、その他は名前を聞けば分かる程度の記憶しかない。とりあえずシナリオ1ゲーム開始。難易度は当然一番難しい5でやる。我らが魯智深がいるではないか。史進、竜の刺青の人だね、それ以外忘れた。林冲はたしか禁軍の軍人で嵌められて逃亡した人だな。武松は、「金瓶梅」の西門慶を叩き殺した人だったな。金瓶梅が後だが。残りの三人は全く記憶にない。朱武ってだれだよ。王倫ってなに?崔道成ってそもそも読みが分からんからぐぐったけど、魯智深に叩き殺された雑魚じゃねーか。何だこの人選は?というのが第一印象。選択は当然魯智深だ。今からやる人もとりあえず魯智深を選べ(命令)
・一回目リプレイ
終盤で義兄弟のコマンドを思い出す。そもそもクリアなんて全然無理で、1127年に金が攻めてきてゲームオーバー

・二回目リプレイ
今度は義兄弟は作ってレベル4でスタート。簡単すぎるので途中でやめた。

・三回目リプレイ
再びレベル5でスタート。クリアできた。

総評としてそこそこ難しいけど、敵が武装してこないのでそこまでではない。最後は魯智深、武松、呉用、扈三娘、公孫勝、史文恭、関勝などの固定メンバーで、訓練武装を多めにして攻めれば大概勝てる。高キュウの逃げ道を塞ぐことをうまく考えればそれほど難しいものではない。が、一応コツと流れを少々


・序盤 義兄弟、人材確保(質は問わない)、誰とも隣接してない領地を増やす
重要なのは、序盤の間に義兄弟を少なくとも二人ほどは作っておく。序盤の義兄弟は独立して狩をさせたりしたいので、腕力が強いのがおすすめ。とにかく人物の勧誘と共鳴を上げることに集中する。もちろん、どの勢力とも接していない土地を選ぶことも忘れない。39や40のような飛び地にも作ること。共鳴は暴動が起きないように60まで上げるのが良いが、それ以下の50以上でも良い。共鳴を上げた後は、義兄弟や魯智深をその土地から速やかに外して、CPUに「内政重視」で委任することCPUの領土経営は効率的というかチートなのでCPUに任せないと多分クリア不可能。人材が少ないので義兄弟二人つくるのも厳しい。とにかく人材の確保が重要。せっかく手にいれても、最初の忠誠が低いのでこちらが忠誠をあげる前に逃げたりする。手に入れたその月に逃げるのはさすがに勘弁してほしいが、このゲーム結構な頻度でそれが起きる。

・中盤 全国行脚 人材確保(質は問わない) 塞に迎える
中盤とは他国に接する領地をもったあたりを指す。具体的には6国を支配下に入れたあたりだろう。このあたりで義兄弟があと二人ほど欲しい。この場合の人選は序盤と違って腕力が強いことは特に必要ない中盤以降の義兄弟に求めるのは人材確保と輸送だからだ。余りに雑魚を当てると人材確保の時に拒絶されるので注意。この時点で手にしている領土は他国と隣接していないことが条件なので、39、40、16、15、14、13、1、2、5で8のみ隣接というところだろう(6はとりあえず共鳴を上げず、7、8の攻略を優先)。39、40、16・・・・という順番で書いたのは意味がある。要は途中で人材を確保しつつ、その順番で義兄弟に行脚させる。そして時間差をつけて次の義兄弟を行脚させる。食料と金を巻き上げつつ、兵力も持っていく。領土を委任した強者は、この時点で絶対に兵力100になっているので彼らを回収しつつ、新たに兵力0の人物を置いていく。出来れば二人置いていきたいが、そこまでの人材は確保できていないので無理があるだろう。この全国行脚を三交代で回るくらいが良かろう。金品の輸送はロスが大きいし兵力の回収までは出来ないのでこの方法がお勧めだ。主力部隊は普通にやっていれば6、7、8、9、10、21、22くらいは手に入るだろう。このあたりから「塞に迎える」が利きだすので、強力な好漢を手に入れることにも着手する。10を手に入れたら終盤戦だろう。

・終盤 王倫の排除 高キュウを逃がさない布陣 人材確保(質のみにこだわる)
王倫は途中から全く攻めてこなくなるが、油断していると薄い場所に突っ込んできて次々落としてくる。無視しても勝てるが、うまいこと囲んでつぶしてしまうのもお勧めだ。高キュウには、どうやっても勝てないことはないが、4などの共鳴をわざと上げて攻めさせ、敵の兵力を分断するのが良いだろう。高キュウは空白地があれば逃げるので先回りして配置しておくこと。全員で攻めるとその土地は空白地になるので一人は残すこと。その際、共鳴を上げなくても壁としての役割を果たす。24国は分断するときによく攻めるが、船がないと何も出来ないので注意。道をふさぎつつ、魯智深に精鋭を率いさせる。基本攻めるのはその精鋭だけでよい。

戦闘のコツを少々

・飛道具がそれなりに使えるのでネチネチ削ると良い。
・兵力が100ある段階の敵に突っ込むと結構減るので、いくらか削ってから白兵戦を挑むこと。
・城に白兵戦を挑むとかなり兵力が減る。敵が自分より兵力のかなり多いものに対してあまり白兵戦を挑んでこない性質を利用し、敵の兵力を飛び道具で90以下に減らしてから兵力100の部隊を隣接させ、火計で城から追い出す。出来ればその城を乗っ取り、駄目でも城から出た敵に白兵戦を挑む。消火できない低技量の敵には絶対の手段だが、消火できる敵にも、妖術を使い終わって役立たずになった呉用などを隣接させて嫌がらせの火計を行う。運がよければ消火できずに城から追い出すことが出来る。
・妖術使いは火計などを食らって体力が減ると使えなくなるので、敵に隣接したベストポジションにこだわらず使うと良いかもしれない。敵の妖術使いは情報でいち早く場所を掴み、その有効範囲に出来る限り一、二部隊だけを入れて戦う。一部隊だけなら妖術を使ってこない(気がする)。配置によってはそうも行かないが、出来る限り少ない部隊に限定することが重要。
・攻める時期は重要。妖術のため曇りが多い春が良いだろう。夏は晴れが多いのでやりにくい。秋は火がつきやすいらしい(確認してない)。絶対やってはいけないのが冬、特に11,12月に攻めること。仲間にしても忠誠を上げる暇が無いのですぐ逃げてしまう。


エンディング
魯地心クリア

・感想
難易度が高いといわれるが、コツさえ掴めたらそれほどでもない。昔は気に入らないシステムだったが、今やると結構面白い。不便な部分もあるが、1989年のゲームなので仕方ないといえるだろう。過去の光栄のゲームは名作が多い。このゲームも間違いなく名作だろう。三国志や信長ばかり作るようになって劣化してしまったが、光栄は歴史オタク向けというわけでなくゲームとしても面白いものを作っていたのだということを再認識できる。オランダ妻とかな(オチ)